回避依存症とは「深い人間関係を構築することを回避している人」のことです。
他人と自分との間に距離を置き、深い人間関係になることを避けます。
仲良くなりたいという気持ちと、壁を作り、自分を知られたくないという気持ち、そんな二つの相反する気持ちが共存している状況です。

1.回避依存症の症状

回避依存症の症状

「人と精神的に近い関係になるのが怖い。」
「人との距離を保っていたい。」
相手からしてみると、”なんとなく人を近づけない人””近づきたくても、近づかせてくれない人”でしょう。
心休まる温かな関係・・理想的と思えるような人間関係を意図的に、あるいは非意図的に避けています。恋愛関係、友人関係、親子関係、仕事仲間との関係など、あらゆる人間関係でみられます。

これらは、臨床心理学では回避性愛着スタイル、あるいは回避性愛着障害といいます。

回避依存4つのタイプ

回避依存症は、大きく分類すると4つのタイプに分けることができます。
詳しくみていきましょう。

1.独裁者タイプ

何でも自分の思い通りにいかないと気がすまない。

「ああしろ、こうしろ」と命令口調になってしまう。

相手の行動に常に監視の目を光らせている。

相手が何か新しいことを始めようとすると「駄目だ」「やめておいたほうがいい」などとストップをかけてしまう。

「私のいうことを聞かないと大変なことになるよ」とのニュアンスを持つ発言をする。

身体的、精神的な暴力をしてしまう。

何をするにも、私の「許可」が必要。

「正しいのは自分、間違っているのはお前」上下関係を作り、相手をコントロールしようとします。「お前は価値のない存在だ」と直接的、間接的に伝えることで、相手は”この人がいなくなったら、さらに自分の価値が下がる”と信じ込み、離れられなくします。
あるいは、肉体的・精神的な暴力をふるうことで、主導権を握ろうとします。

2.搾取者タイプ

人にはあれこれと要求をしてしまうけれど、相手からの要求をのむことができない。

物を頼む時だけは優しくなる。

「私は利用されている?」と不安にさせてしまうことがある。

要求をのんでもらった時の優しさと、拒否された時の怒りや不機嫌さのギャップがとても大きい。

相手が要求を受け入れるまで、しつこくねちねちと責め続ける。

「子供っぽいわがままさ」が強くある。

「愛していると言ったのは嘘だったの?」「本当に私に対して誠意があるのならば~」など、実態を見ることのできない「愛」「真実」「嘘」「誠意」などといった言葉を巧みに使い、自分の不幸を嘆きつつ、無言の圧力で自分の要求を通そうとします。
独裁者タイプのように「私は上、お前は下」といった心理的な立場を主張するのではなく、「使う側、使われる側」といった関係で、自分は得るものが多く、相手は得るものなく、あるいは失う一方です。

3.ナルシストタイプ

「少年っぽい」ところがある。

ちょっとしたきっかけで、手のひらを返したように冷たくなることがある。

意識的、あるいは無意識的に、人の気持ちを傷つけるようなことを平気で言ってしまう。

「理想」へのこだわりが強いところがある。

ナイーブである。

人の話を聞くよりも自分の話をする方が好き。

「私は特別な人間だ」と思っている。

「自分の好み」から少しでもはずれたことをすると、不平を言ったり不機嫌になったりする。

自分をほめてくれる人には甘いけれど、少しでも批判されたり欠点を指摘してくる人に対しては徹底的に攻撃しようとする。

「私は特別な存在である」ということが全て。他人はコマに過ぎず「他人も特別な存在である」ということが認められません。
過干渉な親、過保護な親に育てられている場合が多く、子供っぽい自己愛の世界に止まったままでいます。恋人からの過剰な賞賛を求める一方で、他人の気持ちがわかりません。

3.脱走者タイプ

「束縛」がとにかく嫌い。

何かを要求されると「あなたはわがままだ」「あなたは要求が多すぎる」と思ってしまう。

普段、どんなことをしているのか、教えるのが嫌。

1人でいることが好き。

相手が近づいてくればくるほど、遠く離れたくなる。

本心をなかなか言えない。

「自由」を求め、「束縛」を嫌います。束縛されたら最後だ、という強迫観念にとらわれています。
男性なら誰もが少なからず、この傾向があると言われています。女性からの求愛や要求を前に、逃げ出したくなるのです。

2.回避依存症の特徴

回避依存症の特徴

対人関係以外の活動に熱中して、対人関係での激しい感情を避けます。

激しく感情がぶつかり合うことは、恐ろしいことで、消耗することを避けるために、最小限で抑えようとします。また、常に何かしらで忙しい状況を作り、感情的な接触を避けます。反面、自分の人生に活力や興奮など熱い感情を作り出すために、仕事やお酒、ギャンブルにのめり込むという形で激しい感情を味わいます。

相手に追い詰められ、支配されることから自分を守るために、自分を知られないようにします。

些細なことでも相手に隠し、秘密を作り、自分を知られないようにします。また、自分の欲求を言わずに、相手にそれを察して欲しいと望む、無言の圧力をかけます。

さまざまな手段を用いて、相手のとの親密な接触を避けます。

会話をしない、強い感情(怒っているというジェスチャーや、恐怖に怯えたそぶり等)、あるいは感情を表に出さない(ポーカーフェイス)、敬語などやたらと丁寧に相手と接することで距離を作る、問題点に触れないなど、さまざまな方法を使って親密な接触を避けます。

3.回避依存症の原因

回避依存症は、アダルトチルドレンの表れ方のひとつです。

アダルトチルドレンについてさらに詳しく

過干渉な親、過保護な親、親と子の役割が逆転した親子など、情緒的な束縛が原因にあげられます。親子関係や周囲の大人との間で、消耗し枯渇する感覚や、飲み込まれそうな感覚を体験してきました。精神的に親の面倒を見てきた回避依存症者は、どこか自分は特別な存在だと思うようになるようです。
回避依存症者の親は、大抵の場合共依存症者、あるいは恋愛依存症者です。
大人になると回避依存症者は、恋愛依存症者に魅かれるようになっていきます。

回避依存症がすすむと、、

回避依存症は病気ではありません。しかし、回避依存が進んでくると・・
DV、モラルハラスメント、自己愛性人格障害、仕事中毒(ワーカホリック)、アルコール依存症、ギャンブル依存症、薬物依存などの症状があらわれます。
本当の自分を知られたら、みんなが去っていく、見放される、見捨てられる、という不安や、親密になって、自分が大したことのない人間だとばれたら困る、自信が無くなる、すごい人と思われていたい、といった感情から、人との間に距離を保とうとするのです。

4.回避依存症からの回復

あなたが思っているほど、あなたはダメな人ではありません。
誰も離れてはいかないし、本当のあなたを知ったからといって、嫌ったりしません。もしも離れていったり、嫌ったりする人がいたならば、それはあなたに問題があるからではなく、相手の問題です。
あなたが思っているほど、あなたは特別な能力をもつ存在でもありません。
あなたが自分を重要で特別な人間であると思うように、それと同じように周りにいる人全てが重要で特別な人間です。もしあなたが特別でなかったとしたとして、何の心配も問題もいりません。そこにいるというだけで、全ての人が重要で特別な「オンリー1」の存在なのです。

回復へむけて

あなたが作ってきた境界線や心の壁を、ここで見直していくことで、壁を低くし、境界線をなくしていきます。

あなたが作っている境界線を、できるだけ具体的に、箇条書きにしてみましょう。
そして、絶対に譲れないもの、少しなら譲歩できるもの、で順位をつけていきます。


順位 内容
1  見下されないために、見栄をはる
2  休日も仕事をする
3  自分の日ごろの行動をいちいち言いたくない
4  彼に見られても大丈夫なように、携帯の履歴を消す
5  彼に「今日ひま?」と聞かれて即答しない

順位の低いものから見直していきたいと思います。

見直す基準
・ 本当にそれをしなかったら見捨てられてしまいますか?
・ 本当にそれをしなかったら追い詰められますか?

さらに、見直す時のヒントになる考え方をご紹介します。

認知の歪み10か条

1. 白黒思考

別れるか別れないか、など、白か黒かどちらかに決めようとしていませんか?
物事はグレーゾーンがほとんどなのです。極端な見方をしたり、答えを出そうとしているときは白黒思考になっているかもしれません。

2.一般化のしすぎ

1つの良くない出来事があると、「いつも決まってこうだ」「うまくいったためしがない」などと考えていませんか?1つのことが全てに当てはまる、と考えていたら一般化のしすぎかもしれません。

3. 心のフィルター

1つの良くないことにこだわってくよくよ考え、他のことはすべて無視していませんか?1滴のインクがコップ全体の水を黒くしてしまうように、くよくよとこだわっていたら、心のフィルターかもしれません。「心のサングラス」ともいいます。

4.マイナス思考

何でもマイナスに考えていませんか?
少しは良い部分もあるものですが、それも否定してしまっていたら、マイナス思考に陥っているかもしれません。「マイナス思考はよくない」というのもマイナス思考です。

5. 結論の飛躍

根拠もないのに悲観的な結論を出していませんか?
a. 心の読みすぎ:ある人が自分に悪く反応したと早合点してしまっていたら、心の読みすぎかもしれません。

b. 先読みの誤り:事態は確実に悪くなると決めつけていたら、先読みの誤りかもしれません。

6. 誇大視と過小評価

自分の短所や失敗を過大に考え、逆に長所や成功したことを過小評価します。他人の短所や失敗は過小評価し、他人の長所や成功を過大評価するのも同じです。

7. 感情的決めつけ

自分がこう感じているのだから、恋人もみんなもそう感じているだろうと思っていませんか?こんな私を私自身が嫌だと思っているのだから、みんなも嫌だと感じているだろう、などと自分の感情が事実を証明しているように感じます。

8. すべき思考

「~すべき]「~すべきでない」という考え方にとらわれて、出来なかったときは自分を追い詰めていませんか?他人にすべき思考が向かっているときは、イライラしたり、怒りを感じます。

9. レッテル貼り

結婚をしていない奴はだめな奴だ、などと、自分にも他人にもレッテルを貼っていませんか?ミスを犯した時に、「自分は敗北者だ」、「だめ人間」などと自分にネガティブなレッテルを貼ってしまいます。

10. 自己関連づけ

何か良くないことが起こった時、自分に責任がないような場合でも、すべて自分に関連しているように感じていませんか?例えば、職場の雰囲気が悪いのは、みんなの責任で、あなた一人の責任ではありません。

見直しが完了したら、順位の低いものから一つずつ、止めていきましょう。手放していきましょう。
その間、順位の高いものはやっていても構いません。
無理の無いところからとりかかっていくのがポイントです。見つめなおし、行動をとることで、もっとずっと楽な人間関係が築けるようになるでしょう。