「どんな人生にしたいか?」、楽しい将来のイメージ、「幸せ」と、家族のうつ(6)

【カウンセラーから】
① 初回カウンセリング
カウンセリングを受けにくる方は、様々な悩みを抱えていらっしゃいます。カウンセリングや心理学が好きで受けているという方もいらっしゃいますが、誰にも相談できない、ずっと考えているけど好転しない、周りに苦しんでいる人がいて役に立ちたい、などさまざまです。

Bさんは不倫関係の悩みと、家族の悩みの2つを抱えていらっしゃいました。
不倫は決してほめられたことではありませんが、カウンセリングでは、その事実ではなく、それによってどんな感情があるかに焦点を当てていきます。

初回は、誰にも話せなかった事を話してもらいました。誰にも言えない秘密を抱えていると、とても苦しいものです。ため込んでいた感情を出すだけでも、カタルシス効果(すっきり感)が得られます。

彼女との関係については、すでに終わっている話で、辛い、苦しい、悔しいなどの感情が心の中にまだ残っているようです。もちろん、やり直したいとも思っているようですが。

奥様との関係については、現在進行形です。
現状(奥様のこと)を伺っていると、彼女との関係で受けた心の傷をゆっくり癒したり、立ち止まって考えるという状況ではありません。
しかし、苦しい辛い感情を引きずりながら、前に進んでいくのはとても大変な作業です。
そのため、先の目標を立てて、カウンセリングをすすめていくことにしました。

② どんな人生にしたいか?
現時点からの人生を見ることは出来るようですが、将来の目標を立てるという作業が難しかったようです。真面目で現実的な性格が見受けられます。だからこそ、目の前の状況を楽観視できない、放っておけないのかもしれません。

③ 二回目のカウンセリング ~将来のイメージ~
現状と向き合うために、視点を変えて将来のイメージを模索してみました。

例えば「一軒家を建てる」という将来の目標を立てれば、お金を貯めたり、どの辺りに家を建てるか考えたり、家の設計を考えたり、いらない物を処分したり買わなくなったりしますよね。

目標を立てておけば、その目標を達成する方向に向かって歩き出します。

目標を立てる際は、達成することが待ち遠しいような、楽しい目標にします。それをできるだけ明確にイメージし、達成した時に味わうであろう感覚・感情などもイメージしておきます。

④ 彼女の夢
まだまだ彼女を忘れられず、それどころか深く傷ついていることがわかります。奥様の体調がすぐれないこともあり、現実逃避したい気持もあったのかもしれません。
Bさんはそんな自分の気持ちに気付いていながらも、それを打開できないで苦しんでいます。

⑤ 三回目カウンセリング ~気持の変化~
現実を向き合うことが、とても苦しい場合があります。彼女が去っていった事実も、奥様がうつになった一因は自分にあると、自分と向き合うのは、Bさんにとってとても苦しく辛いことです。

現実を受け入れて、将来に向かって歩む決心が見受けられます。
大きな気持の変化です。
そしてある意味、ここからが正念場です。

◆うつ病のご家族や周囲の方の、当事者への接し方について
うつ病と思われる方へは、まずは病院に行くように伝えましょう。同行してあげると良いかもしれません。医師からの指示に従い、まずは休養が大切です。
家族や周囲の方は、腫れものにさわるのではなく、相手のペースに合わせて時間をとり、じっくり話を聴いてあげると良いでしょう。アドバイスをするより、温かく見守ってあげるというスタンスが良いでしょう。


⑥ うつ病と向き合って
奥様のうつ病と、家族全員で取り組むことにしました。慣れない家事も含めて精神的なストレスは、想像以上に大きく、大変だったと思います。

うつ病などメンタルの病にかかるご家族は、肉体的・精神的・金銭的なストレスが非常に大きいものです。時間もとられます。感情の波に飲み込まれ、一喜一憂することもあると思います。症状がひどい時は、主治医と相談の上、入院という手段もあります。ご家族も一緒に共倒れしないよう、ご家族にもカウンセリングやリラクゼーション、気分転換といった時間が必要です。


⑦ 四回目カウンセリング ~元の生活に戻りたい~
早く治ってほしい、早く元の生活に戻りたい、とこぼしています。

しかし、急げば急ぐほど、ストレスはたまっていきます。

奥様やお子さんたちを思いやって、急いでいるようにも見受けられますが、実は自分のストレスの原因を取り除きたい、という、気持ちのほうが大きいように感じられます。

その気持ちは、奥様へも伝わっていたかもしれません。
病気との闘いで、焦りは禁物です。


⑧ 幸せとは
自分ばかりが辛い目にあっている、と思いこんでいましたが、実は奥様こそ大変だったのだと気付いていきます。

ずっと自分の立場、自分の視点で考えてきました。結果、自己中心的な考えに陥り、他人をコントロールしようとしていました。

自分の立場を嘆き悲しみ、涙を流したことで、奥様の立場、視点で考えることができました。その結果、第三者の視点、客観的に物事を見ることができました。


⑨ 五回目カウンセリング ~最後に残ったのは家族~
うつ病とも奥様とも向き合う覚悟ができたようです。
ご家族への愛情がより深く芽生えたようです。
これから先、紆余曲折があっても、大切な家族を持てたことが幸せだと、きっと言えるでしょう。