30歳、女性。彼と結婚したいけど、我慢ばかりで本心を言えなくて…(1)

典型的な恋愛依存症のAさんがカウンセリングを通して自分らしさを手に入れていく過程を細かく描写しています。
Aさんのカウンセリング体験を通して、カウンセリングとはどのようなものか垣間見て頂けると嬉しいです。

カウンセリングを受ける前の状況

私には5才年上の彼がいます。彼はとても頼りがいのある、優しい人です。
けれど、自分のことをあまり話してくれない事や、結婚についても「結婚するつもりはある」と言うだけで、いつまでたっても具体的な結婚の話にならず、『このまま付き合っていてもいいのかな』と不安を持ち続けていました。彼にあれこれ聞くと嫌な顔をされるので、言い出せず、悶々とした日々が続いていました。

そんな気持ちを抱えたまま、30歳の誕生日を迎えました。30歳を独り身で迎えたことで母から結婚についてしつこく聞かれ、『彼に本気で結婚をする気がないのであれば、別れて新しい出逢いを探そうかな。。。』というところまで追い詰められた気持ちになっていました。

でも、『別れた後に、新しい恋人ができるか不安だし、一人になるのは嫌。彼と付き合いながら新しい恋人を探したい』、そんな気持ちになっていました。そう思いながらも実行できないのは、彼のことが嫌いになったわけではないし、陰でそんな風に考えていることに、後ろめたい気持ちがありました。

考えてみれば、今までの恋愛でも、自分の本心を言うのが怖くて、いつも”我慢”をしてきました。そんな自分に気づき『私がどこかおかしいのかな?』と思うようになりました。

そんな時、カウンセリングのサイトで偶然、”恋愛依存症”という言葉を知りました。”恋愛依存症”について知れば知るほど、『自分のことを言っている』と思えてなりませんでした。『一度、カウンセリングを受けてみようかな』と思うようになりました。

でも。。。

カウンセリングっていうと、病気のイメージが強く、『恋愛がうまくいかない、という理由で受けていいものか』と気持ちが揺らぎました。でも、『今の状況から抜け出したい』という気持ちもありました。

そんな時、気軽にカフェで受けることができる、カフェカウンセリングというスタイルがあると知りました。そのサイトにも”恋愛依存症”について書かれていたこともあり、思い切ってカウンセリングを申し込みました。

1.初回カウンセリング

申し込みをすると翌日メールが届きました。メールが届いただけなのに、なんだかすごくほっとしました。週末に銀座のカフェで会うことに。相手は女性のカウンセラー。ちょっとドキドキしました。
50分で話しきれるか心配で、質問したところ、「話したい内容をメモしておくといいですよ」と言われたので、メモを作っていたら、長い手紙のような文章になってしまいました。

そして、初回カウンセリングの当日。待ち合わせのカフェでカウンセラーの方とお会いすると「こんにちはー、はじめまして。今日は暑いですねー」と前からの知り合いのように話しかけてくれました。

(なんだ、普通の人じゃない)

カウンセラーというと、遠い存在というか、特別なイメージがあったのですが、カウンセラーが自然体だったので、少し面食らった感じがしました。

柱の陰で他の席から少し隠れた窓際の席が用意されていました。コーヒーを頼んだ頃にはずいぶんリラックスしていました。
「リラックスして、話せるところから、話したいように自由に話して下さいね」と言われました。それでも、どう切り出していいかわからずに困っていると「確かメモしてくるって言っていましたよね。よかったらそこからはじめませんか?」と言われました。

メモというか、長い文章になっちゃったんです。

時間をかけて考えてきてくれたんですね。

最後まで話して顔をあげると、うんうん、とうなずいて、

彼は優しい人なんですね。
でも結婚の話ができなくて、だいぶ悩んでしまっているようですね。

と優しい言葉をかけてくれました。

それから、元彼にも自分の気持ちが言い出せずにいることがよくあったこと、友達と飲みに行く話しをしていても本当は行きたいお店があっても言い出せなかったことなど、いつも”我慢”することが多いという話になりました。
自分の気持ちを”言い出せない”という部分で話がつながっていて、ビックリしました。

彼との結婚について悩んでいると話を始めると、

今までに、彼と結婚の話をしたことはありますか?

・・・なんとなく話したことはあったけれど、ちゃんと向き合って話したことはありませんでした。
これでは結婚の話なんて進まないと思い、次に彼と会ったときに、私から結婚の話を切り出してみようと決心し、初めてのカウンセリングが終了の時間になりました。

カウンセリングを受ける前までは”私の性格の善し悪しや、彼の性格の善し悪しなどを指摘されるんじゃないか?” とか、「今日から一週間彼と連絡をとるのはやめなさい」などと指示されるのではないか?とか、正直、少し不安でした。
でも、実際のカウンセリングは、想像とは違う展開になりました。友達に話すときとは少し違って、スッキリしたというより、何か癒されたような気分でした。そして、「あなたの中にある答えを一緒に探していきましょう」と言われましたが、本当にその通りだったと思います。

とりあえず、初回のカウンセリングが終わり、カウンセリングってこんなものか、と思い次の予約は入れずに帰りました。

2.結婚の話を切り出す。彼の反応は。。。

カウンセリングを受けて決心したとおり、結婚について一度、彼と話してみようと思いました。すぐに彼に連絡をして、翌日には会うことにしました。

実際に会ってみると、彼はすごく疲れていました。仕事がうまくいかず、上司ともめているようでした。そんな疲れている時に”結婚の話をすることがいいのだろうか”と思い、結局言い出せませんでした。次の週末にも会う約束をしたので、その時に話すことにしました。

土曜日、彼に会うと、今度はとても機嫌が良さそうでした。
『今日がチャンス』だと思い、いつ話を切り出そうか、と頭の中はいっぱいで一日中そわそわ。結局、お酒の力を借りて、話すことになりました。

今まで言わなかったけど、私もう30歳だよ。

もちろん、結婚したいと思っているよ。
でも今は忙しいし、お金もないし、もうしばらく先でもいいんじゃない?
それより、友達の○○が会社立ち上げるって言うんだよ。
俺に一緒にやらないか?って言われたんだけど、どう思う?

今日は結婚の話を自分からちゃんと切り出せました。結婚について考えてくれていることがわかり、それで満足しました。でも、結局、いつになるかわからないままでした。

3.状況は変わらないまま。。。

それからしばらく時間が経って、結局、前と変わらない現状に少し腹が立ってきました。
次に会ったときに再び結婚の話を持ち出してみました。

前に結婚の話をしたとき、もう少し先って言ってたけど、どれくらい先かな。

2~3年先かな。
こないだ話した会社を手伝うって話が本格的になってきてさ。
うまくいったら給料も上がるし、そうしたら将来の見通しがたつから、そのときに考えようよ。

彼は私の事を考えてくれているみたいです。
それが嬉しくて、『もう少し待ってみよう』って気持ちになりました。

また、しばらくして、友達の会社を手伝う話はうまくいかなくなり、彼は今の会社に残ることになりました。
結局、結婚の話はできたけれど、私達の関係が何にも変わっていません。また結婚の話をしても、もう少し先って言われそうだし、どうしたらいいかわからなくなりました。

『こんな彼とは別れて、新しく彼を探した方がいいか?』
もう一度カウンセラーに話を聞いてもらいたい、という気持ちになり二回目の予約をしました。