「どんな人生にしたいか?」、楽しい将来のイメージ、「幸せ」と、家族のうつ(5)
⑦ 四回目カウンセリング ~元の生活に戻りたい~
だいぶストレスがたまっているようですね。
確かにストレスがたまっています。
特に子供たちは、どうしていいのかわかならいようです。優しい子たちですが、変わってしまった母親の姿がショックなのと、感情の波に振り回されるのと、なんとかしたいという気持ちと、いきなり自立を迫られたようで、相当ストレスが かかっていると思います。
私もどうしていいのか、恐る恐る対応しています。
そんな私の様子が、家内は嫌みたいです。でも、どう接していいか、わかりません。一生このままなのかと思うと、気持ちが落ち込んでしまいます。できるだけ早く良くなって欲しいという気持ちがあり、焦っています。そんな気持ちが伝わってしまっているようにも感じます。
普段、どんな風に接しているのですか?
できるだけ話を聴くようにしていますが、早く治ってほしいという気持ちから
「そんな風に考えるのが良くない」「みんな必死に協力しているんだから」「だから言ってるじゃないか」と言ってしまいます。
話を聴いていると、イライラしてしまうんです。
散歩したほうがいいとか、音楽をかけようとか、テレビをみよう、などあれこれお節介を焼いてしまいます。
早く元の生活に戻りたいのですね。
帰れば食事ができていて、家の中は綺麗で、楽しくくつろげる場です。
早く良くなってもらい、元の生活に戻りたいです。子供たちも同じだと思います。
奥様はどう考えているのでしょうか?
⑧ 幸せとは
カウンセリングの後、スーパーで惣菜を買い、家に帰り、散らかった部屋や郵便物を少し片付け、浴槽の掃除をし風呂を沸かしました。
一刻も早く家内が良くなってくれたらいいのに。そうすれば全部やらなくて済むのに。
元の生活に戻り、家内が家の中を動き回って掃除をしている姿を想像してみました。
急に涙が出てきました。
どうしてこんなことになっちゃったんだろうか。
なぜ私ばかりが辛い目に合うんだ。
家内は今まで、いつ息抜きをしていたんだろう?何が楽しかったんだろう?
いつも子供や私の世話ばかりで、はたして幸せだったのでしょうか。
元の家内は、いつも笑っていました。ニコニコしていて、幸せそうでした。
幸せそうな、あの笑顔がもう一度みたい。
家内に、「幸せ」を感じてもらいたい。
そう考えてみると、今までは早く元に戻りたいという気持ちだけで、渋々、家事を分担していましたが、家内が良くなるためのことはしてこなかったと気づきました。
家内の病気が良くなってほしいといいつつ、自分が楽になりたいということしか考えていませんでした。
もっと家内の力になれるように努力したい。幸せだと感じてもらいたい。
あらためて、何かをしてあげたいと思うようになりました。
⑨ 五回目カウンセリング ~最後に残ったのは家族~
家内のことや、仕事・家事に追われているうちに、彼女のことが少しずつ忘れられるようになってきていました。もう、遠い過去のように感じられます。
家内のうつ病を治すにはどうしたらいいか、また、どう接してあげるのがいいかわかりません。
奥様の幸せを考えているのですね。家事も分担して、努力していますね。
家族力を合わせて努力しています。でも、まだまだ気持ちがバラバラです。
もっと家族力を合わせてやっていけるといいと思っています。
もっと家族で話し合いをしたいです。
話し合いをして、家族力を合わせて無理せず頑張っていこう、と伝えたいです。
家内ともちゃんと話をしたいと思います。
きっと奥様も心強いと思いますよ。
ところで、今回の一連の出来事はBさんの人生にとって、どんな意味があったのでしょう。
いろいろなことがありましたが、最後に残ったのは家族だったと思います。
これから先、この温かい家族を大切にし、「この家族と出会えたことが、人生で最も幸せだった」そう思えるようになりたいと思います。